海外留学支援

※2014年度は実施致しません。

2013年度 海外留学支援 ご報告

2013年度は、一名への支援を実施しました。

 

伊原木幸馬さん(60期生)が

ウィーンに短期留学されるとのことで

申請がありました。

 

留学の成果とご報告を

レポートして頂きましたので、ご紹介します。

今年の9月に夏休みを利用して1ヶ月間オーストリア(ウィーン)に滞在しました。目的は9月9日から9月20日までの12日間行われる、ウィーン国立音楽大学のマスタークラスに参加すること、また、 クラシック音楽を勉強するのに恵まれた環境である音楽の都ウィーンの空気に触れ、より高度な技能や知識を習得することでした。

 ウィーン国立音楽大学のマスタークラスが始まる迄の1週間は、国立オペラ座(Staats oper)に通ったり、ベートーヴェン教会(Beethoven Kirche)やペーター教会(Peters Kirche)で行われる演奏会に足を運んでいました。

 国立オペラ座の素晴らしいところは一流の音楽を聴いて、一流の舞台芸術を見て楽しむことができること、更にこれらを立ち見席(Stehplatz)では400~500円で鑑賞することができるというところです。立ち見席にはパルテッレ・バルコーン・ガレリーの3種類があり、平土間でステージが正面に見えて音響のよいパルテッレの最前列を確保するために、19時開演にも関わらず14時頃から並んで待つこともありました。そうして「カルメン」や「ナブッコ」などのオペラを鑑賞しました。

また、教会で演奏されるオルガンやトランペットの音色は教会独特の荘厳な世界を体感することができました。 そして1週間が経ち、ウィーン国立音楽大学のマスタークラスが始まりました。ヴァイオリンやピアノ、クラリネットなど多くの受講生が集まっており、ロシアや韓国、フランスなど各国からの参加者が見られました。初日はオープニングイベントで、各教授陣の門下生によるコンサートが行われました。演奏を披露したのはウィーン国立音楽大学で勉強している学生でしたが、演奏のレヴェルの高さに圧倒されました。 2日目からはレッスンが始まり、僕はフランツ・ルカソフスキー(Franz Lukasovsky)教授にレッスンしていただきました。

 マスタークラス中は1回1時間のレッスンが全4回あり、ドイツリートやオペラアリア、オラトリオを通して、発声法は勿論のこと、表現することの大切さや人に伝えることの大切さを教えていただきました。

あっという間に全てのレッスンが終了し、マスタークラスの締め括りに、各教授陣から受講者1人(または2人)が推薦され出演することのできる、Prof.ディヒラーコンクールに出演することになりました。演奏する時に、これまでは、響きのある良い声で歌わないといけないという気持ちが先走り、緊張してしまうことが常でしたが、コンクールの本番ではレッスンで教えていただいた表現や、他者に何を伝えたいのかということだけを考えて演奏するようにしました。すると、緊張することなく音楽の中に入り込むことができ、音楽を通して素直に感情を表出することができました。その結果、様々な楽器が競い合う中で、総合2位を受賞することができました。また、翌日(マスタークラス最終日)の旧市庁舎シューマンザール(Schumann Saal)にて行われた入賞者披露演奏会にも出演することができ、コンクールでも演奏した、シューベルト作曲「美しき水車小屋の娘」より「Pause(休息)」と、モーツァルト作曲オペラ「ドン・ジョヴァンニ」より「Il mio tesoro intanto(私の恋人を慰めて下さい)」の2曲を演奏させていただきました。終演後、ルカソフスキー教授から「Wunderbar(素晴らしかったよ)!」とお褒めの言葉をいただき、入賞者披露演奏会に来られていたお客さんからも沢山の称賛のコメントをいただきました。 そして、参加者や教授陣たちとのビュッフェパーティーに参加し、様々な国籍の人と話すことができ楽しい一時を過ごすことができました。 

マスタークラスが終わってからの1週間は大阪教育大学特設音楽課程(ピアノ)出身で、現在ウィーン国立音楽大学にて講師をされている山田佐和子先生、現在ドイツの主要なオペラ座で活躍中のライナー・トロスト(Rainer Trost)氏にレッスンしていただきました。

山田先生のレッスンでは、ディクションに重きを置き、全体としての音楽の構成の仕方やフレージングを教えていただきました。また、トロスト氏のレッスンでは、声帯を丁寧に扱うことやそこからどのようにして感情を声にのせていくか、など響きの作り方を細かく丁寧に教えていただきました。 

 

 1ヶ月という短い留学期間ではありましたが、とても充実した日々を過ごすことができました。音楽や美術、建築など芸術文化の歴史あるオーストリアで、多くの音楽やその他の芸術に触れながら過ごした日々は、これから先の音楽人生において、かけがえのないものとなりました。

 また、現在ウィーンに留学している日本人もたくさんいて、海外の音楽院や留学に纏わる話を詳しく聞くことができ、日本だけではなく世界に視野を拡げてみようと思うきっかけになりました。音楽について熱く語り合ったり、音楽以外の話で盛り上がったりと、毎日がとても刺激的で非常に有意義な時間を過ごすことができました。 

 今回、海外留学に係る補助をしていただいた大阪楽友協会の皆様、この海外留学で得たことを糧に、今後の勉強に活かしていきたいと思います。

本当に有難うございました。       伊原木幸馬